おぶつだんの佐倉

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おぶつだんのある風景

結婚して 妻と両親の4人で暮らしている。 僕の住む家には、 昔から代々受け継がれてきた 古いお仏壇がある。
春、 心待ちにしていた息子が産まれた。 はじめての出産で心配したが、 なんと3728g―。妻には感謝の一言。
両親は、待望の孫の誕生を 心から喜んでくれた。
元気にすくすく…、を通り越して とてもわんぱくに育った息子。
はじめての七五三、 羽織、袴に袖を通して、はにかむ笑顔。 思わずシャッターを切る回数が増える。
気づけば小学生。 共働きの僕たちに代わって 放課後の先生を務めてくれたのは おばあちゃん。
僕に似て勉強が苦手な息子。
息子が高校生になった春、 両親が相次いで天国へ旅立った。
その深い悲しみから救ってくれたのは、 「行ってきます!」と元気な息子の声。
「おじいちゃん、おばあちゃんに  心配かけられないから」と。
大学を卒業し、社会人になった息子。
ある日、真剣な顔で 「会ってもらいたい人がいる」と言う。
週末に珍しくスーツを着た息子が 連れてきた女性は、 どこか若い時の妻の面影がある 優しい女性だった。
それから数年後―。
新しい命が産まれた。 なんと3728gの元気な女の子。
はじめて孫を迎えたその部屋は、 いつかと同じ笑顔と やさしいぬくもりに満ちていた。
いつも、いつまでも
伝えたいぬくもりがある。
おぶつだんの佐倉

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